【第2回観光振興委員会】(2月4日、料亭濱乃家)
委員ら20人が出席。竹島知憲委員長が「本年度は1回しか委員会を開催できなかったが、スタジアム建設と竿燈まつりの両小委員会では活動してきた。スタジアム小委は数回の会議に加え、ブラウブリッツ秋田やサッカー関係者との打ち合わせを重ねているし、竿燈まつり小委は秋田市竿燈会と打ち合わせをしたり東京の学生を秋田に招いたりしている」とあいさつした。
引き続き、竿燈まつり小委員会の松村讓裕座長は「昨年から東京に学生の竿燈会をつくろうと学生たちと話し合っている。東京で練習し本番の竿燈まつりに参加できるようにしたいと考え、昨年4月に東京の学生が秋田に来て、竿燈会の関係者と話し合った。竿燈会からは安全の確保、技術指導をどうするかの問題点が示され、学生からは4年で終わってしまうことは残念だなどの声が出た。竿燈会には進学や就職で東京に出る会員が多い。会員の東京での練習の場(神社の境内など)を確保し、県外を含む学生への指導も行ってはどうかと提案している。これを竿燈会が役員会で諮ることになっている。 県は交流人口、定住人口だけではなく関係人口を増やしたいとしている。竿燈という文化を通じて新しい関係人口を増やすことができればいいし、竿燈まつりを秋田市だけではなく全県の祭りにしたい」。
スタジアム小委員会の加藤俊介座長は「本年度はスタジアム建設の周知を進めようとスタートしたが、実際にはなかなか盛り上がらなかった。7月にブラウブリッツ秋田が設立10周年を機にJリーグのチェアマンを呼ぶという話があり、講演会開催をブラウブリッツ後援会はじめ商工会議所、青年会議所などと検討したが、新たな組織のトップ人事がまとまらなかったことがあり、もっと幅広い『スタジアム準備委員会』のような組織立ち上げを模索している。秋田市は外旭川をスタジアム建設の有力候補地と言っている。これまでは建てることに消極的だったが積極的になり、われわれにとっては喜ばしい方向に進んでいるともいえる。たとえ、場所が外旭川になったとしても、われわれとしては屋根付きを訴えていくことがベターと考える。太陽光が通過できる膜式の屋根であれば、大幅な経費減での開閉式のスタジアム建設が可能になるという試算を出している設計事務所があるので、調べたうえで提言することも一考ではないか」などと述べた。
その後、委員からは「経済同友会と竿燈会の計画に齟齬をきたさないように気を付けてほしい」「スタジアム建設について同友会がお金のことまで考えなければならないのか。あまり深く入る必要はないのではないか」「建設後の運営についての検討は欠かせない。建てたはいいが、赤字続きならば建てた意味がない」「スタジアムについて当初、同友会としては建設地には触れないということだった。現時点でも『街なか、屋根付き、経済効果』の認識は変わらないのか」などの声が出た。
一方、来年度の活動方針について、竹島委員長は「竿燈まつり、スタジアムの両小委員会を2本柱に活動を継続したい。スタジアム小委員会についてはわれわれの提言がどう生かされていくのかを見続ける必要があるし、間違った形で進むのであれば新たな提言をしなければならない。また、竿燈まつり小委員会については、やっと芽が出ようとしている。竿燈会や県などの動きをみながら、東京に竿燈のサークルを立ち上げることをメーンに活動したい」と述べた。委員長発言に異議はなく、次年度も両小委員会として活動を継続することにした。
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スタジアム建設についてはPFIの活用が大きな選択肢となる。これに詳しい小野建築研究所代表取締役の小野泰太郎常任幹事が「老朽化する社会インフラとPPP事業」と題して講話を行った。
小野常任幹事は▽施設を取り巻く環境、国に自治体を助ける力はあるか▽国土交通省のインフラメンテナンスの取り組み▽PPP/PFIの有効性・メリット▽資金の流れ▽PPP/PFI事業におけるリスク▽PFIの最近の事例―などを説明。サッカースタジアムを核とした街づくりに向けて、県内民間事業者による任意の協議会を設立し、ビジョンの具現化やコンセプトの策定、コストシミュレーションを行うとともに、資金調達や運営の方法を整理し、議論のたたき台を策定することの必要性を指摘した。また、サッカースタジアムは芝生の管理や稼働日数に制限があるので、スポーツ興行だけで収支をプラスにすることは困難。建設には経済的合理性が大切であり、屋根がなければPFIは難しい、などと述べた。