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洋上風力発電などで意見交換/3代表幹事が関西同友会・深野代表幹事と

 元秋田県商工労働部長で関西経済同友会代表幹事の深野弘行氏(伊藤忠商事専務理事)と、秋田経済同友会・秋田商工会議所との意見交換会が12月11日、秋田キャッスルホテルで開かれた。意見交換会は、この日開かれた秋田港国際コンテナ定期航路開設25周年「秋田港利用促進セミナー」の講師として招かれた深野氏の要望によるもの。経済同友会からは佐川博之、斉藤永吉、平野久貴の3代表幹事、商議所からは三浦廣巳会頭と辻良之、佐藤裕之の両副会頭が出席した。

関西経済同友会・深野代表幹事(左)との意見交換
関西経済同友会・深野代表幹事(左)との意見交換

 意見交換会での代表幹事の主な発言は以下の通り。

【佐川代表幹事】
 再生可能エネルギーに大きな期待を持っており、秋田経済同友会として県にも提言している。12月17日には菅首相にも要望することになっている。秋田が日本のトップランナーになるよう関西経済同友会にも支援、後押ししてもらいたい。
 テレワーク、リモートワークを県も積極的に進めている。関西圏の企業から見て秋田が適地になるうるだろうか。可能性を知りたい。
 10年ほど前、日本海シーアンドレール構想があった。秋田港を活用し鉄路と結びつけ対岸貿易を進めるものだが、コスト面などで問題があった。しかし、CО2削減を考慮すると鉄路の活用は期待できる。菅首相のときに実現できればと考える。
 伊藤忠商事が交通システムの開発を手掛ける企業などと連携し、車を使った移動サービスの全国展開に乗り出す。複数の利用者を最適な経路で送迎する仕組みを自治体や交通事業者に提供するというが、高齢者に配慮した運用方法などに期待している。

【斉藤代表幹事】
 秋田の風力発電の概況を報告。洋上計画の合計は約182万kWと、秋田県の陸上風力の合計の約3倍となっている。生産額は1000億円を超える規模になると推定されており、秋田県の大きな産業になる。部品等を含めすそ野の広い産業であり、地元のTDKを核にサプライチェーンを構築したいと考えている。
 中央資本に吸い上げられることが不安。秋田の大切な資源を活用するのだから、地域に還元する仕組みをつくりたい。水素、アンモニアへの発展につなげ、秋田イノベーション50としたい。政府が進めるカーボンニュートラルにつながる。
 水素化社会の課題はコストが高いことだが、秋田には風力発電の余剰分を活用できるというアドバンテージがある。優位性をもって水素化を進めたい。

【平野代表幹事】
 バイオマス発電開発を進めている。県内は2社で27.5メガワット、60億円程度の規模になっている。県内で当社(ユナイテッド計画)は、県内の木質チップを使っており、足りない分はPKS(パーム椰子殻)を使いカロリー調整している。
 現在、宮城県石巻市でバイオマス発電所の建設を進めているが、きっかけは2011年の東日本大震災。仙台、石巻の港湾地区が壊滅的な状況になったとき、宮城県知事の「震災中、エネルギーが足りなかった」というコメントを見て、石巻港への開発につなげた。
 県内の素材生産量のうち木質チップになるのは30%程度。秋田スギは伐期を迎えているが、バイオマス発電への需給バランスがうまくいかない。伐期を迎えているときだが、植林をしっかりしなければ持続可能なスキームは壊れてしまうという状況だ。

 これについて、深野氏は以下のように答えた。

 風力には期待が持てる。送電が課題であり、電力を使う産業を持ってくることが理にかなっている。データセンターは冷却に大きなエネルギー、電気がかかる。ビッグデータの取り扱いを考えると、需要が爆発的に増えることも考えられる。涼しいところが望ましいので、秋田も適地かもしれない。念頭に入れておけばいい。今後のねらい目になるかもしれない。
 一極集中は関西でも頭の痛い問題。本社を東京に移しており、東京一極集中が進み、秋田でも関西でも共通の課題。テレワーク、ワーケーションにもつながるが、その地域のインフラをどう作り込んでいくかが求められる課題。リゾート感覚で仕事もできる場所としては、東京にも近い田沢湖あたりがいいかもしれない。
 シーアンドレール構想については、日本と海外の船舶コンテナの規格が違うことが問題。効率的にできていない。JRの腰が重い。トラック運転手も人手不足なのだから再検討の余地があるかもしれない。

 一方、商議所側は三浦会頭がベンチャーエコシステムや起業支援体制など、佐藤副会頭は洋上風力発電の詳細、辻副会頭は秋田港の利活用状況などを報告した。

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