秋田経済同友会の令和4年新年交歓会・特別講演会が1月27日、ANAクラウンプラザホテル秋田で開かれ、会員と一般聴講者計46人が出席した。昨年に続きコロナの状況を鑑み、新年交歓会は中止、特別講演会だけの開催となった。
佐川博之代表幹事のあいさつに続き、日本銀行秋田支店の真鍋隆支店長が「2022年の秋田の経済展望」と題して講演。秋田におけるグレートリセット(500年、100年、50年)を挙げ「洋上風力発電の事業化など、本県経済の起爆剤となり得る絶好のチャンスが訪れているのではないか。秋田が前向きに変わっていくところを見たい」と強調した。
主な内容は以下の通り。
1.2022年の日本経済の見通し
(1)日本経済の回復時期
コロナ以前に戻る時期をいつごろとみてい
るかについては、背景に生産・輸出、企業収
益、設備投資などがある。
(2)ここにきての「不透明感」(=不確実性)
ある程度は予想されていたものに、コロナ
の変異株、交易条件悪化への対応がどうなる
か。また、供給制約の長期化や欧米の物価上
昇の持続など、予想外のものもある。
2.2022年の秋田経済の見通し
(1)秋田経済の回復時期については、大枠の予想は全国と同様。
(2)ここにきての「不透明感」(=もやもや感)
大枠は全国と同様だが、特に秋田で気にすべき点はコロナの変異株、交易条件悪
化への対応。
(3)世界的なグレートリセットが秋田経済の起爆剤になるのではないか。
500年、100年、50年に一度のチャンスが巡ってきている。
(4)秋田の農業に期待したい。「咲き誇れ、秋田」
3.秋田県内経済の基調判断
直近3カ月をみると、少し下方修正されているが、県内概況は足もと新型コロナウ
イルス感染症の再拡大の影響が見られるものの、全体としては持ち直している。
このほか、▽秋田の個人消費動向▽交易条件悪化への対応▽物価の動向-などを紹
介した。
一方、秋田におけるグレートリセットについて、500年前、100年前、50年前の秋田の状況を紹介。大きな時代の流れの中での秋田をみた。2020年代は、インターネット上の仮想空間を指す「メタバース」が発展。これにより首都圏など本県から遠い地域に行く必要がなく、秋田にとって地理的な不利を克服できる。
また、国際的な脱炭素化の流れの中で、本県は洋上風力発電事業が動き出している。秋田、能代両港湾区域内で風車建設が始まったことなどで、国内外から多くの関係者が本県を訪れ、ビジネスホテルの利用が高まっているという。動き出したチャンスを生かさなければならない。さらに、昨年は世界的なウッドショックで国産材需要が回復。この中で2024年には製材国内最大手の中国木材が能代工場を稼働する。木都能代が再び注目されるのではないか。秋田がいい方向に進む可能性がある。 (文責:事務局)