本年度の第1回会員例会(講演会)が6月17日、秋田キャッスルホテルで開かれ、東北電力秋田支店の小笠原孝史支店長が「再生可能エネルギーの現状と課題について」と題して講演した。小笠原支店長は「東北地方では洋上風力発電など再生可能エネルギーの導入が加速しており、電力を首都圏でも使うことができように送電線や電力系統の増強が進んでいる」などと話した。会員51人(代理を含む)が出席した。
初めに、担当委員会の地域開発委員会の佐々木創太委員長があいさつ。引き続き、小笠原支店長の講演に移った。講演の主な項目は次の通り。
1.日本のエネルギー事情と資源を選ぶポイント
(1)日本の電源構成の現状
(2)エネルギー資源を選ぶポイント
(3)2030年におけるエネルギー需給の見通
しのポイント
2.再生可能エネルギーの現状と大量導入等に伴う
課題
(1)再生可能エネルギーの連系状況(全国の再
エネ連系量の推移)
(2)再生可能エネルギーの連系状況(東北エリ
アの連系量の割合[全国比])
(3)東北電力ネットワークの系統連系量推移(太陽光)
(4)東北電力ネットワークの系統連系量推移(風力)
(5)再生可能エネルギー連系拡大に伴う課題と対策
(6)再生可能エネルギー連系拡大に伴う課題の全体概要(送電線容量面の課題)
(7)送電線容量面の課題(ネットワーク設備の容量不足)
(8)送電線容量面の課題(送電線の空容量)
(9)日本版コネクト&マネージについて
(10)ノンファーム型接続について
(11)東北エリア系統の概要
(12)再エネ連系拡大等に向けた基幹系整備の取り組み(例)
(13)系統利用ルールの見直し
(14)再生可能エネルギー連系拡大に伴う課題の全体概要(需給バランス面の課題)
(15)需給バランス面の課題(余剰電力の発生)
(16)揚水式発電所の役割
(17)大型蓄電池システム実証実験への取り組み
(18)2022年4・5月の再エネ出力制限の実績 ~5月4日の需給バランス~
(19)系統安定性不足の課題(インバーター電源の増加と同期電源の減少)
【参考】同期電源とインバーター電源(非同期電源)の違い
(20)再生可能エネルギー主力電源化に向けた同期電源の割合の減少
(21)課題及び対応策(一部)イメージ
(22)再生可能エネルギー固定価格買取制度の導入について
3.東北電力グループにおける「カーボンニュートラルチャレンジ2050」
(1)東北電力グループにおける「カーボンニュートラルチャレンジ2050」
(2)カーボンニュートラルに向けた具体的な取り組み
(3)女川2号機における安全対策工事完了時期の見直しと使用前確認
4.東北電力グループにおける再生可能エネルギーへの取り組み
(1)200万kWの開発に向けて再生可能エネルギー事業を拡大
(2)運用・保守(О&М)
5.3月16日福島県沖を震源とする地震による設備被害状況と2022年度夏季・冬季
の需給見通し
(1)3月16日福島県沖を震源とする地震による設備被害状況
・原町火力発電所の被害状況
・相馬共同火力発電(株)新地発電所の被害状況
(2)2022年度夏季・冬季の需給見通し
一方、ロシアによるウクライナ侵攻の影響について、小笠原支店長は「重大なリスクになると認識し対策を進めているので、火力発電の燃料が手に入らなくなることはない。今後も燃料の調達先を分散するなど柔軟に対応し、電力安定供給に努めたい」と述べた。
(文責:事務局)