本年度の第2回健康講座が12月2日、秋田ホテルで開かれ、秋田大学高齢者医療先端研究センター長の大田秀隆教授が「秋田県の疾病の特徴~平均寿命と健康長寿の延伸に向けて~」と題して講演した。会員のほか一般の聴講者を含め、35人が参加。本県で非常に増えている認知症ならびにフレイル(認知症の一歩手前)の予防の取り組みについて理解を深めた。
初めに、担当委員会の地域開発委員会の田口清光委員長があいさつ。引き続き、大田秀隆教授の講演に移った。講演の主な内容は次の通り。
▽認知症の予防について
日常生活は自立し認知機能障害がない「前臨床期」から、日常生活は自立している
ものの認知機能障害のある「軽度認知機能障害(МCI)」、認知機能障害があり日常
生活で要介護となる「認知症」に進む。本県はうつ病になる人が多く、注意する必要
がある。
▽認知症は遺伝するの?
高齢発症のアルツハイマー型認知症は56~79%の確率で遺伝するが、遺伝リスクの
高い人でも日常生活での予防で認知症のリスクが軽減できる。
▽認知症の危険因子はどのようなものがあるの?
認知症の発症には糖尿病や高血圧といった生活習慣病等、さまざまな因子が影響す
る。加齢や遺伝因子、高血圧、糖尿病、喫煙などが危険因子となる。また、1日に6
種類以上薬を飲んでいる人や日常生活を楽しめない人はフレイル(虚弱)のリスクが
高く、認知症につながる可能性もある。
▽どのような予防方法があるの?
認知症の防御因子として運動や食事因子、余暇活動、社会参加などが挙げられる。
早めに気づくことができれば、睡眠時間の確保や定期的な運動、多様な栄養素をバラ
ンスよく摂取できるような食事など、生活習慣の改善で予防できる。気になる人は検
査を受けてほしい。 (文責:事務局)