令和元年度ビジネスマン健康達人講座第3回が10月18日、県健康増進交流センター「ユフォーレ」で受講者13人と会員2人が参加して開かれた。協会けんぽ秋田支部保健師の二田幸子さんが「たばこと健康」について講話、ユフォーレの健康運動指導士・健康運動実践指導者の佐藤達矢さんが「健康と運動」についての講話と簡単な運動指導を行った。二田さんは「職場の受動喫煙で労災が増えるし、糖尿病は2倍になる。禁煙の職場ほど働く人が健康だ」とデータを示し訴えた。また、佐藤さんは「運動習慣をつけるためには、継続できることを目標にしたり、チェックシートを付けたりすることが効果的だ」などと呼び掛けた。
二田さんは世界のタバコ事情を紹介。インドでは労働災害の発生要因で喫煙が飲酒の7倍になっている。また、フランスでは喫煙することで労災が増えるという統計がある。日本はタバコ規制の後進国。タバコを吸うとうつ病になる率が高くなるし、職場の受動喫煙で糖尿病になったり、労災になったりすることも多い。さらに、新型タバコにもニコチンをはじめ、発がん物質のタールを含むなど問題点がある。職場では敷地内の全面禁煙以外の選択肢はないと考えた方がいいし、禁煙外来などを活用して「受動喫煙ゼロ そして禁煙」を目指してほしい。それが県の掲げる健康寿命日本一につながるなどと話した。
一方、佐藤さんは平均寿命と健康寿命の推移を紹介。秋田県の健康寿命は、2010年は男性70.46歳(全国23位)、女性73.99歳(同18位)だったが、2016年には男性71.21歳(同46位)、女性74.53歳(同33位)と、全国順位が大きく落ちた。健康寿命を伸ばすためには運動することが大切。スポーツ全般とウオーキング、筋力トレーニング、ストレッチなど運動の種類によって効果は異なるが、講座では筋肉の柔軟性を向上させたり、関節の可動域を改善したりできるストレッチを紹介。いすを使っての足踏み、腹筋や太もものトレーニングなどを受講者と一緒に行った。そして、運動を続けるコツとしては▽楽しみと結びつける▽日常の習慣と結びつける▽一人より集団で(仲間意識が高まる)▽無理をしない▽目標を設定して記録をつける―ことを挙げた。
二田さんと佐藤さんの講話を終えた後は、前回の講座から設けた「ふりかえりの時間(リフレッシュタイム)」。秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻の佐々木久長准教授が受講者をグループに分け、10分ほど自由に話し合ってもらってから、各班の代表者が話し合った感想を発表した。
なお、次回第4回講座は11月15日(金)午後3時半から秋田市保健所会議室で旭北歯科医院の千葉利昭院長が口腔衛生について講演、第5回講座は12月13日(金)午前11時から秋田ビューホテルで食事と健康について、管理栄養士が講話する予定。